さいたま赤十字病院 循環器内科ロゴ 循環器内科・心臓血管外科

TEL. 048-852-1111(代)

〒330-8553 埼玉県さいたま市中央区新都心1番地5

休診日/土・日曜日・祝祭日・年末年始(12/29~1/3)・創立記念日(5/15)・国民の休日

外来案内図

先天性心疾患/心臓リハビリテーション

不整脈部門

診療内容・特徴

先天性心疾患を持つ患者さんが成人を迎え、遠隔期特有の合併症や生活習慣病を始めとする併存疾患の管理も必要になってきました。成人期においても継続的な経過観察や治療を要する方が多くおり、このような方々を対象とした小児科からの移行を当科の専門外来で行なっております。

また隣接する埼玉県立小児医療センターと連携して、心房中隔欠損症や卵円孔開存症に対する経皮的デバイス閉鎖術を行っております。

 

主な対象疾患例

専門外来を2017年4月から開設し、患者数は2020年12月現在で310人に達しております(男性141名、女性161名)。うち他院小児科からの紹介が9 割以上を占めております。体心室右室、アイゼンメンジャー症候群、Fontan 術後、チアノーゼ性心疾患などの複雑心疾患の患者さんも診療しております。外科的手術、カテーテル治療、デバイス治療などのほか、心疾患合併妊娠女性の周産期管理や呼吸循環機能が低下した患者さんへの心臓リハビリテーションも導入しております。

先天性心疾患

診療内容・特徴

近年の先天性心疾患に対する医療技術の進歩により生命予後が改善し、95%の患者が成人に到達するようになりました。

今や成人の患者が小児の患者より多いのが現状です。成人期特有の遠隔期合併症や加齢に伴う様々な併存疾患、女性では妊娠出産などの問題があり、成人としての管理が必要となってきています。小児科から循環器への移行期医療が推進され、成人先天性心疾患という専門的分野が新たに確立されております。2017年に当院が現在の新都心に病院移転するに際して、埼玉県立小児医療センターが隣接する立地となりました。

当科は先天性心疾患のキャリーオーバーした患者を小児から成人へ移行をすすめるべく新たに成人先天性心疾患専門外来を開設しました。

2017年4月の開設から2023年7月現在で患者数はのべ501人に達しております。小児科からの移行としての紹介が9割以上を占めております。

また、成人になってフォローが中断されている中年以降の患者も多数いるため、何らかの症状を生じて一般内科からご紹介いただく患者さんもおります。成人先天性心疾患専門医の資格を持つ循環器内科医と心臓血管外科医の2名の医師で週2回外来を行っております。アイゼンメンジャー症候群、フォンタン術後、チアノーゼ性心疾患などの複雑心疾患の患者さんも診療しております。外科的手術、カテーテル治療、デバイス治療などのほか、心疾患合併妊娠女性の周産期管理や呼吸循環機能が低下した患者さんへの心臓リハビリテーションも導入しております。

小児科からの移行を考えている患者さん、専門的な診療が中断されている患者さんがおられましたら当院で診療させていただきます。

 

ACHD診療体制(ネットワーク)

ACHD診療体制(ネットワーク)

画像提供:先天性心疾患の成人への移行医療に関する提言より

日本の成人先天性心疾患患者数

日本の人口
1億2,760万人(2012年)
生産児
103万人(2012年)
先天性心疾患の生産児に占める頻度
1%
先天性心疾患生産児
1万300人/年
約95%が成人となる
9,780人/年
成人先天性心疾患患者数
約45万人
中等以上の疾患重症度の割合
32%
成人先天性心疾患患者増加率
4~5%/年

画像提供:丹羽公一郎2015より改変
成人先天性心疾患ガイドライン2017年改訂版より

当院の2023年7月現在の成人先天性心疾患の患者数:患者合計501名(男性225人 女性276人)、平均年齢26歳(患者の年齢分布16~82歳)、紹介時平均年齢21歳

 

症例内訳

症例内訳

心房中隔欠損症は成人期に発見される先天性心疾患で最も多く、健診契機の指摘が多い疾患です。40代以降で右心不全や不整脈を生じることが多いのが特徴です。

将来的な肺高血圧や奇異性脳塞栓の予防にも閉鎖する意義は高いとされています。現在は開胸手術ではなくカテーテルによる閉鎖栓を使った閉鎖が主流です。実地認定施設である小児医療センターとの連携医療を導入しており、当院で入院しながら、カテーテルでの治療を受けることができます。

閉鎖栓

心臓リハビリテーション

診療内容・特徴

当院では循環器内科や心臓血管外科に入院された方々に、入院中から心臓リハビリテーションを行っています。

 

これまでは心臓病の症状緩和、再発予防や予後の改善を目指してカテーテル治療を含めた手術治療や薬物治療に力を注いできました。日本循環器学会では、心臓病患者様に対して再発・再入院・長期予後改善だけでなく、生活の質の向上・運動能力の改善・抑うつ症状改善、更には虚弱予防を目指すべきであると謳っています。

また、この目標を達成するために、従来行われてきた医学的評価や疾病管理に加えて運動療法・患者教育・カウンセリングを行うことが必要であると定め、これら全てを包括したものを心臓リハビリテーションと定義しています。当院では患者様に質の高い心臓リハビリテーションを提供すべく、看護師・理学療法士・管理栄養士・生理機能検査技師・薬剤師・医師がチームを組んで治療にあたっています。退院後も心臓リハビリテーション外来に於いて多職種による手厚い治療を継続していくことを目指しています。

小児科からの移行を考えている患者さん、専門的な診療が中断されている患者さんがおられましたら当院で診療させていただきます。

 

日本の成人先天性心疾患患者数

日本の成人先天性心疾患患者数

 

心臓リハビリテーション外来では、医師の診察後に準備体操を経て自転車運動・筋トレを行いますが、この間、常に看護師と理学療法士が立ち会い、運動療法についてだけでなく退院後の生活や治療についてお話を伺っています。

診察から御帰宅まで概ね1時間半のお時間を頂いております。皆様、毎回およそ20分ほど看護師・理学療法士・医師と話しをする時間を設けるようにしております。不安や疑問がございましたら遠慮なくお申し付けください。

準備体操

週1回の心臓リハビリテーション外来を約5か月間継続しています。その間に運動機能評価を3回受けていただくことにより、適切な運動強度を提案できるよう心掛けています。また、各々の患者様についての多職種カンファレンスも期間中に3回行うことにより、多職種で治療方針を話し合うようにしています。

心臓リハビリテーション外来

5か月間が過ぎましたら、御自宅近くの診療所との治療連携をお願いしております。運動療法継続も重要ですので、スポーツジムや介護保険制度を利用したデイケアセンター等への引継ぎを行っています。

心臓リハビリテーションにおいては、医師よりも看護師や理学療法士・管理栄養士などのメディカルプロフェッションの果たす役割が大きいと考えています。そこで当院では定期的に地域のメディカルプロフェッションの皆様向けに勉強会を開催しています。多い時には100名を超す皆様に参加して頂いています。これからも微力ながら地域医療に貢献していきたいと考えています。

 

受診を希望される方へ

受診のご案内

当院は紹介制とさせて頂いており、受診の際はかかりつけ医の紹介状をお持ちください。

 

曜日ごとの担当医師

成人先天性心疾患は狩野実希医師が金曜日の午前中に担当します。

*疾患や外来の状況に応じて、上記医師以外が対応させて頂く事が御座います。

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